Dr.ホルモンとKent Dr.の内分泌講座

うつ症状とホルモンの関係

ホルモン分泌の異常は、全身のだるさ(倦怠感)、不眠、意欲の低下、起床困難など、うつ病に似た症状を引き起こすことがあります。
例えば、副腎皮質ホルモン(ステロイドホルモン)が過剰に分泌されるクッシング症候群では、抑うつ症状を伴うことが少なくありません。また、反対に、副腎皮質ホルモンの分泌が低下する副腎皮質機能低下症や下垂体機能低下症でも、うつ状態に似た症状がみられることがあります。
さらに、成長ホルモン、甲状腺ホルモン、性ホルモンの不足も、気分の落ち込みや意欲低下などの原因となることがあります。女性や男性の更年期障害に伴うホルモンバランスの変化も、抑うつ症状に関与することが知られています。
このような場合、抗うつ薬のみでは十分な改善が得られないことがあり、原因となるホルモン異常を適切に診断し治療することが重要です。ホルモンバランスが改善されることで、抑うつ症状が著しく軽快することも少なくありません。

なかなか改善しないうつ症状がある方や、以下のような身体症状を伴う方は、一度内分泌専門医への相談をおすすめします。

  • ・著しい体重増加または体重減少
  • ・むくみ
  • ・寒がり
  • ・便秘
  • ・乾燥肌
  • ・脱毛
  • ・皮下出血しやすい
  • ・風邪をひきやすく治りにくい
  • ・傷が治りにくい

下垂体、副腎、甲状腺、性腺などの内分泌疾患は、血液検査によるホルモン測定や、MRI、CT、超音波検査(エコー)などを組み合わせて診断します。必要に応じて、ホルモン分泌の状態を詳しく調べるための負荷試験を行うことがありますが、これらの検査は医師の管理のもと安全に実施されます。

内分泌疾患は適切な検査によって診断可能な場合が多く、専門医による評価が重要です。

ホルモン異常が原因で症状が生じている場合には、その原因に応じた治療を行います。
ホルモンが過剰に分泌されている場合にはその是正を行い、不足している場合にはホルモン補充療法を行います。治療法は疾患の種類や患者さんの状態によって異なりますが、原因となるホルモン異常を適切に治療することで、心身の症状の改善が期待できます。
うつ症状の背景に内分泌疾患が隠れていることは決して珍しくありません。当院では、抑うつ症状や慢性的な倦怠感の原因としてホルモン異常の可能性も考慮し、必要に応じて専門的な検査・診断を行っています。気になる症状がある方はお気軽にご相談ください。

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