Dr.ホルモンとKent Dr.の内分泌講座

Kent Dr.の内分泌講座

副腎腫瘍について

副腎は左右の腎臓の頭側に一つずつ存在し、皮質(表面)と髄質(内部)から成っており、皮質からはアルドステロン、コルチゾール、アンドロゲンが、髄質からはアドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミンが分泌されます。

副腎腫瘍はほとんどの場合が良性腫瘍であり、副腎癌の予後は非常に悪いとされていますが頻度は100万人あたり1〜2人程度です。

副腎腫瘍は機能性腫瘍と非機能性腫瘍に分類されます。機能性というのはホルモンを産生するという意味です。

副腎腫瘍の約半数は非機能性のものであり、機能性のもので代表的なものは3つあります。

原発性アルドステロン症

アルドステロンというナトリウム(塩分)を蓄える働きをもつホルモンを過剰分泌し高血圧を引き起します。高血圧のみでなく、アルドステロン自体も動脈硬化を起こすとされております。

クッシング症候群

コルチゾール(副腎皮質ステロイドホルモン)を過剰分泌し、糖尿病、高血圧、骨粗鬆症、満月様顔貌、中心性肥満、筋力低下、多毛、ざ瘡(にきび)、色素沈着、バッファローハンプ(肩の盛り上がり)や骨粗鬆症等を引き起こします。

褐色細胞腫

カテコールアミン(アドレナリン・ノルアドレナリン・ドーパミン)を過剰分泌し頭痛・動悸・嘔気・発汗・高血圧を引き起こします。本症の原因となる腫瘍は、悪性、副腎以外の発生、両側性(多くは片側)、家族性のものと多様です。

ページのトップへ